意思決定を1か月から「当日」へ。組織のボトルネックを破壊

意思決定を1か月から「当日」へ。組織のボトルネックを破壊

当事務所では、米国MBA学位を保持する弁護士前畑壮志が、経営学的観点から徹底したアドバイスを行っています。

意思決定を1か月から「当日」へ。組織のボトルネックを破壊

当職は、ある企業から「意思決定を早くしてほしい」という特命を受けたことがあります。通常、経営の全体最適化を考慮せず、一部のプロセスのみを切り出すオファーは、全体最適の観点から慎重にならざるを得ません。しかし、社長の並々ならぬ熱意と、何より伺った範囲では意思決定の異常な遅さが致命的なボトルネックになっていることが明白でしたので、ボトルネックを即座に排除することの戦略的合理性を鑑み、例外的にこの極めて狭いスコープのミッションをおうけしました。

意思決定の速度は2つの意味で企業にとって重要です。1つめは、言うまでもなく、役員・従業員を会議に縛り付けておく時間の分の人件費相当額の無駄です。2つめは、私が重視する、先行者利益の喪失です。市場ではいち早く動いたものに最も大きな利益がもたらされるという一般的な理論があります。いち早く動くことにはリスクが伴いますが、そのリスクの対価が大きな利益の可能性であると理論的には説明されています。

私が、その企業を見学して真っ先に拝見したのはホワイトボード。上役のスケジュールのかなりの部分が社内会議に占領されていました。上役ということは、時間単価も高い、そのような人を会議に縛り付けておくとなると、その高額な人件費相当の上質な意思決定がなされなければならない。では、意思決定の内容はどうか、ということで、会議録を見せていただこうとしましたが、会議録はとっていないとのことでしたので、意思決定の内容を直接に拝見することはできませんでした。

そこで、組織行動論を駆使して、短い時間でしたが私が観察して把握したその企業の性質やカルチャーに基づいて、意思決定をどうすべきかある程度一般的なところから攻めることにしました。私が接した範囲で権限委譲、マトリクス、事業部制、機能別、といったセオリー適否の判定をして、守秘義務がありますので結果は述べることができませんが、ある意思決定方法を準則化しました。

これにより、従来は最長1か月かかっていた意思決定が最短で当日休憩開始時刻までに行えるようになりました。当日の休憩までに意思決定ができることの意義は大きく、休憩時間(もちろん、従業員ではなく上役の、です。)を意思決定に基づく書類の作成などに充てられますので問題発生から初動までのタイムロスが大幅に縮まりました。

意思決定は、一概に、早ければ早いほうがよいといえるものではありませんが、仮に同質の意思決定ができるのであれば、早いほうが断然有利です。大幅に時間短縮された意思決定の質が良いか悪いかの総合的なフィードバックはいただいておりませんが、トップから、1か月かけても同じ決定だったと思うとの感想をいただいた意思決定が1つありました。

ただし、この事例紹介においてお気をつけいただきたいのは、この件では、意思決定速度に関する部分最適は実現しましたが、会社の経営全体の全体最適が実現できたかどうかはスコープ外だったということです。当職は、企業の肉体改造に当たっての最強の共創チームを作りますので、あくまで企業の全体最適を目指します。本件は極めて特殊な事例であると御理解ください。それでもなお、記事化したのは、1か月を当日に短縮できたという数値の暴力性に当職自身が驚きを隠せないからです。

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